海外で資産運用することを考えたとき、マレーシアの定期預金の活用は有名です。定期預金の利率は3%であり、こうしてお金が増えていくことになります。

ただ、「定期預金の利率3%」と優れているメリットはあるものの、当然ながらデメリットもあります。誰でも好きなようにマレーシアで銀行口座を開設できるわけではありません。またリンギット(マレーシアの通貨)での預金なので通貨リスクがあります。

私についてもマレーシアで銀行口座を開設しており、定期預金にてお金を増やしています。ただ、これはリスクを理解したうえで運用を実施しています。

そこで、ここではどのように考えてマレーシアの銀行で口座開設し、定期預金にてお金を増やせばいいのか解説していきます。

金利3%で利子が付くマレーシアの定期預金

日本は非常に金利が低い国として知られています。ただ世界には、高金利にて銀行での定期預金を組める国があります。その一つがマレーシアです。マレーシアで銀行口座を開設し、定期預金を組めば金利3%にて資産運用できることが知られています。

私についても、マレーシアで定期預金を組むことで資産運用をしています。以下は組んでいる定期預金の一つです。

7万リンギット(約210万円)について、1年定期で預金を組んでいることが分かります。このときのレートは2.85%であり、自動的にお金が増えていきます。また「定期預金の満期が到来した後、自動更新で再び1年の定期預金を継続する」ように組んでいるため、複利でお金が増えていきます。

仮に定期預金の金利が継続後も同じの場合、210万円を複利運用すると以下のようになります。

  • 5年運用:241.7万円
  • 10年運用:278.1万円
  • 15年運用:320.0万円
  • 20年運用:368.4万円

20年の運用により、約1.75倍にお金が増えます。このように長期的スパンで考えることにより、自分のお金を増やすことができます。なお、以下は銀行が出している定期預金の金利表です。

定期預金については、その年によって利率が変わります。そのため正確な数字を知りたい場合、「Maybank Fixed Deposit Account」で調べてみてください。定期預金は「Fixed Deposit」なので、ここで調べるといいです。

・1ヵ月の定期預金でもいい

なおマレーシアの銀行の定期預金の優れる点として、1ヵ月の定期預金であってもそれなりに高金利なことがあげられます。今回の定期預金であれば、期間ごとの利率は以下のようになっています。

  • 1ヵ月:2.65%
  • 3ヵ月:2.70%
  • 6ヵ月:2.8%
  • 1年:2.85%

そのため、1ヵ月だけの定期預金であっても問題ありません。余っている資金について、1ヵ月の定期預金を何度も繰り返すのです。定期預金の手続きはアプリなどから1分で完了するため、こうした使い勝手の良いサービスがマレーシアの定期預金になります。

ペイオフ制度で資金が守られる

ただ、マレーシアの銀行に預けることについて不安に覚える人がいます。しかしマレーシアの銀行にはペイオフ(預金保護)制度が存在するため、資金が守られるようになります。

日本であっても、1,000万円までならどのような事態があっても確実に資金が保護されるようになっています。これがペイオフ制度であり、マレーシアにも存在するのです。

マレーシアのペイオフ制度については、上限25万リンギット(約750万円)になっています。発展途上国にも関わらず、日本の銀行に負けないペイオフ制度が整っているといえます。

またペイオフ制度については、一つの銀行に適用されます。そのため、例えばマレーシアで3つの銀行で口座開設した場合、「25万リンギット × 3銀行 = 75万リンギット(約2,250万円)」が必ず保護されるようになっています。

もちろん、マレーシアにはいくつもの銀行が存在します。そうした事実を考えると、資産の保全という意味では銀行の倒産リスクをそこまで考える必要がありません。

MM2Hなど、ビザの保有は必須

ただ、マレーシアは誰でも好きなように銀行口座を開設できるわけではありません。ビザの保有者である必要があります。

具体的には、以下のようなビザになります。

  • MM2Hビザ
  • 就労ビザ
  • 学生ビザ

私がマレーシアで銀行口座開設が可能だったのは、マレーシア政府が発行するビザを保有していたからです。もちろん観光ビザでは不可であり、このときは以下の正式なビザを銀行へ提示することになりました。

最も一般的なのはMM2Hビザです。リタイアメントビザとも呼ばれており、定年退職後にマレーシアで住むことを歓迎するためのビザになります。マレーシアでの就労はできませんが、マレーシアへお金を落としてもらうことを目的に発行されています。

もちろん、20代や30代などの人でもMM2Hを取得できます。MM2Hの取得には数百万円のお金を積む必要があるものの、このときのお金はマレーシアの銀行の定期預金で複利運用させれば問題ありません。

一方で就労ビザについては、「現地で起業し、法人設立する」「マレーシアの現地企業に就職する」のどちらかによって取得できます。マレーシアで働くことを前提とした人になります。

また留学するなど、学生ビザでマレーシアへ渡航する人もいます。マレーシアは英語圏であり、英語留学にも適している国です。こうした学生についても、生活するために銀行口座が必須です。

いずれにしても、こうしたビザの取得がなければ銀行口座の開設は不可能です。ビザなしだと、銀行口座開設をするにしても銀行員から門前払いされます。

途上国通貨であることは認識するべき

なお、マレーシアの銀行定期預金で年利3%というと、非常に優れているように思えますが、ほどほどにしたほうがいいです。理由は単純であり、マレーシアリンギットでの預金になるからです。

これが「米ドル」「ユーロ」「日本円」などで年利3%であれば圧倒的に優れているといえます。ただあくまでも、発展途上国であるマレーシア政府が発行する通貨になります。つまり、政情不安の影響を直接受けやすい通貨だといえます。

事実、過去にはトルコ・リラや南アフリカ・ランドで大損した人が腐るほどいます。確かに金利はいいものの、それ以上に通貨の暴落が発生し、通貨の価値が3分の1以下に落ちたわけです。

もちろん、マレーシアはシンガポールに次ぐ東南アジアの優等生であり、トルコや南アフリカに比べると信用度は圧倒的に優れているといえます。ただ、それでも通貨の信用度が低いことには変わりなく、米ドルやユーロで資産運用するのとは違うことは理解しましょう。

参考までに、以下はマレーシア・リンギットの過去の為替変動になります。

10年での期間で見ていますが、このように大きく変動していることが分かります。もちろん、米ドルであっても「1ドル=75円」のときがあれば「1ドル=130円」のときもありました。米ドルでさえこうした為替変動が起こるため、リンギットでも同じ現象が発生するのは当然だと理解しましょう。

ずっとマレーシアで生活する人なら関係ないですが、「いま日本に住んでいる」「将来は日本に帰る」などを考えている場合、為替リスクを忘れてはいけません。これが、「マレーシアでの定期預金は、ほどほどに考えるべきだ」という理由になります。

お金を増やすだけならカンボジアが優れる

ちなみに、同じように銀行口座の定期預金で資産運用するのであれば、カンボジアの銀行口座開設を活用したほうが圧倒的に優れた資産運用が可能です。

カンボジアはアジアで唯一、米ドルが広く出回っている国です。カンボジアを旅行するにしても、すべて米ドルで完結します。そのため銀行口座では米ドル預金が可能であり、しかも定期預金の金利は5%ほどです。

さらにカンボジアの場合、観光ビザであっても問題なく銀行口座を開設できます。現地の就労ビザを取得している必要はありません。そのため私についても、カンボジアで以下のように銀行口座の開設をしました。

しかもカンボジアでは、日本人デスクを有する銀行が存在します。つまり、日本語だけで口座開設が完了します。

「米ドルで資産運用が可能」「1年での金利は5%ほど」「すべて日本語で完結する」「観光ビザだけで取得可能」などを考えると、銀行の定期預金での資産運用はマレーシアより、カンボジアのほうが優れているといえます。

定期預金でおすすめの銀行はどこか

ただ、マレーシアは移住先の国として常にアジアのナンバーワンです。それだけ住みやすい環境が整っており、さらには英語圏なので多くの日本人がマレーシアへの移住を考えます。

定期預金だけの目的でマレーシアのビザを取得するのは微妙であり、意味がないといえます。しかし現地で住み続けることを考えているのであれば、マレーシア・リンギットを保有することで定期預金を活用するのは大きな意味があります。

そうしたとき、ビザを取得して定期預金を組むにしてもどの銀行を選べばいいのか見当が付きません。このとき、おすすめの銀行としては以下になります。

Maybank(メイバンク)

マレーシア最大の銀行であるため、多くの人の選択肢に入るのがMaybank(メイバンク)だといえます。定期預金の利率にしても、マレーシア国内の銀行では最高レベルなので、特別な理由がない限りはこの銀行で問題ありません。

ちなみに私についても、Maybankで銀行口座を開設しています。先ほど記した「私の定期預金の画面」はMaybankのものになります。

なお、私がMaybankでの口座開設を決めた最大の理由はクレジットカードです。Maybankは「Maybank 2 Cards Premier AMEX」というクレジットカードを発行でき、異常なほど早いスピードでマイルが貯まります。

貯まったマイルは航空券に交換し、世界中を旅しています。もちろん旅行をしない人なら関係ないですが、マレーシアと日本の往復航空券に変えることもできるため、非常に有用性の高いクレジットカードになっています。

CIMB銀行

マレーシアで非常に有名な大手銀行としてはCIMB銀行もあります。ほとんどの場合、MaybankまたはCIMB銀行にて口座開設し、定期預金を組むことになります。CIMB銀行も最高レベルの定期預金レートなので、口座開設するのは特に問題ありません。

私の場合、実はCIMB銀行にしようかと迷ったことがあります。当時、マレーシアに住むにあたり、家のすぐ近くにCIMB銀行があったからです。Maybankは家から少し遠く、タクシーでなければ出向くことができない距離にありました。

ただ、私の場合はマイルの魅力に負けてMaybankにしたというわけです。そのためCIMB銀行でも特に問題はありません。私の場合はマイル目的という明確な理由があったわけですが、CIMB銀行のほうがATMなどで並ぶ必要がなく、利便性は非常に高いです。

なお実際にマレーシアに住むわけではなく、単に定期預金だけをしたい場合、最高レベルの定期預金レートを提供してくれるCIMBを選ぶ意義は大きいです。

HSBC銀行

海外での資産運用を考える人であれば、HSBC銀行の存在を知っている人は多いです。オフショア投資をするとき、必ず候補として出てくるのがHSBC銀行になります。HSBC銀行は世界中に展開するメガバンクであり、マレーシアにも多くの支店を構えています。

ただ、定期預金をするという観点でいうとHSBC銀行は微妙です。MaybankやCIMB銀行などに比べて定期預金の金利レートが明らかに悪いからです。

しかし、マレーシアのHSBC銀行だとプレミア口座を開くレベルが非常に緩和されています。通常だと、香港HSBC銀行なら100万香港ドル(約1,500万円)の預金が必要です。ただマレーシアHSBC銀行では20万リンギット(約600万円)で済みます。

こうしたことから、「HSBC銀行でプレミア口座を開設したい」という、定期預金とは別の目的がある場合のみHSBC銀行を活用するようにしましょう。

口座開設の手順・方法

それでは、実際にマレーシアで銀行口座開設をするための手順・方法としては何があるのでしょうか。これについては、現地の銀行へ直接出向くようにしましょう。

人によって必要書類は異なりますが、MM2Hビザで銀行口座開設の申請をする場合、以下のようなものが必要になります。

  • パスポート
  • 仮認証のレター

就労ビザの場合、雇用証明書や賃貸物件の契約書などが銀行預金口座の開設で必要です。ただ、MM2Hビザではそうした書類がありません。そこで、ビザ取得をしているという仮認証のレターで問題ないとなっているのです。

ちなみに私の場合、家族でマレーシアに住んでいるわけですが、マレーシアに移住した後は私だけでなく家族分の銀行口座開設もしました。このときは1歳の娘がいたわけですが、娘の銀行口座は「英訳した戸籍謄本」を持参することで問題なく口座開設できました。

娘の預金については、私が勝手に定期預金を組んで複利で資産運用しています。

日本から海外送金を実施する

ただ当然ながら、マレーシアに口座開設したとしても普通預金にはリンギットがゼロの状態だといえます。そこで、海外送金しなければいけません。

注意点として、日本の銀行からの海外送金は絶対に行わないようにしましょう。高額な手数料によって最初に大きな損をしてしまうからです。日本国内の銀行で海外送金を活用する場合、以下のような特徴があります。

  • 海外送金手数料が5,000~10,000円
  • 両替手数料が異常に高い

そのため、例えば100万円をマレーシアへ送金したとしても95万円ほどにしかならないと考えましょう。

そこで手数料がほとんどない方法を採用しなければいけませんが、そうした方法にトランスファーワイズ(TransferWise)があります。おそらく、日本円をマレーシア・リンギットへ交換するときに全員が利用している方法になります。

全体の流れとしては以下になります。

  • 送金額を決定する(上限100万円)
  • トランスファーワイズの日本口座に振込する
  • マレーシアのあなたの口座へリンギットで振込される

日本国内の銀行のような「ぼったくりレート」は適用されず、その時々の為替レートで換金されます。また手数料が圧倒的に低いため、海外送金する人の全員が利用しています。トランスファーワイズは「ここから申し込み」ができます。

なおトランスファーワイズで海外送金する場合、MM2Hビザでの定期預金を含め、100万円超の送金では何度かに分けて行うといいです。

利率の優れる定期預金のやり方

それでは、実際にマレーシアの銀行口座へ海外送金し、リンギットを預金口座に入れた後はどうすればいいのでしょうか。これについては、どの銀行でもアプリ活用によって1分ほどで定期預金を組めるようになります。

銀行口座を開設すると同時にアプリをインストールし、その場で設定するのが基本です。私についても、Maybankで口座開設したときにアプリをインストールしており、いつでも定期預金を組めるようになっています。このときはアプリへログインし、以下の「Fixed Deposit」の画面へ行きます。

ここからボタンをクリックしていくことで、定期預金を組むための画面が出てきます。Maybankの場合であれば、以下のようになります。

個人での投資なので、Placement Typeは「Individual」になります。またTenure(期間)では、定期預金の期間を選ぶことになります。これについては、好きな期間を選ぶようにしましょう。

そうして「Continue」で次に進みます。ここでは、投資金額など定期預金の中身について記すようになります。

「Interest Payment Frequency(支払頻度)」については、毎月払いも可能ですがよほどの理由がない限りは「On Maturity(満期が来たとき)」になります。

また「Interest Payment Mode(利息払いの方法)」については、「Add to Principal(定期預金に追加)」と「Credit to Account(普通預金に追加)」を選べます。

他にも「Instruction on Maturity(満期時の指示)」も選択可能であり、「Auto Renewal(自動更新)」と「Credit to Account(普通預金に追加)」があります。こうした項目を選び、Proceed(進む)で定期預金を完了させます。

こうした手順について、慣れれば1分ほどで完了します。マレーシアの銀行口座で定期預金を組み、高利率で資産運用するのは非常に簡単だといえます。

マレーシアで高利率での資産運用を行う

高金利の国で資産運用する方法は広く知られており、その中でも非常に有名な国がマレーシアです。アジアで日本人の移住先としてナンバーワンの国であり、多くの人がマレーシアでの生活を考えます。

そうしたとき、マレーシアの銀行定期預金は年利3%ほどで資産運用が可能なため非常に優れています。

ただ、リンギットでの資産運用なので政情不安の影響を大きく受けます。またビザの取得が必須であり、気軽に行えるわけではありません。そのため、マレーシアへ住むことを考えずに、定期預金だけを目当てに銀行口座を開設するのはやめたほうがいいです。

しかし現地に住んでいる人なら、日常生活でリンギットを消費するので為替の変動は関係ありません。また、過去にマレーシアに住んでいた人なら、為替リスクはあるものの既に銀行口座があるので定期預金を利用しやすいです。

ここまでのポイントを理解したうえで、マレーシアの銀行口座を開設して定期預金運用を開始しましょう。まずは信頼できるエージェントを探し、ビザの取得から頑張ってみるといいです。