債券へ投資する人は多く、毎年配当として金利収入を得ることができます。安全な投資先の一つとして知られているのが債券です。

ただ債券投資をするとき、ヘッジファンドを利用することもできます。債券のみに投資するヘッジファンドは低リスクであり、ヘッジファンドによっては年利10%ほどであなたの資産が増えていきます。そのため、安定的に資産を増やしたい人に人気の投資先です。

一般的には、債券ETFへの投資で年利10%は不可能です。ただ債券へ投資するヘッジファンドであれば可能です。

なぜ、債券ヘッジファンドへ投資する場合は利回りが高くなるのでしょうか。また、どのように債券ヘッジファンドへ投資すればいいのでしょうか。ここでは、債券へ投資するヘッジファンドの活用法を解説していきます。

リスクが低く、配当のある債券への投資

資産運用で最も一般的な方法が株式投資です。株へ投資することによって、配当や株価の値上がり益を受け取ります。

一方で債券への投資も一般的です。国債や社債などを債券と呼び、高めの利回りを狙いたい場合は社債へ投資することになります。このとき、高利回りを得られるETF(上場投資信託)として以下が有名です。

  • iシェアーズ iBoxx 米ドル建てハイイールド社債 ETF(HYG)

HYGの配当利回りは約5%です。HYGに投資をすることによって、毎月分配金をもらうことができます。HYGはハイイールド債と呼ばれ、ジャンク債とも呼ばれます。格付けの低い社債に投資するのがHYGであり、そのために配当が年間で約5%と高いです。

ただ格付けが低いとはいっても、世間一般的には大企業に分類される会社に投資をすることになります。

また債券なので価格の変動が少なく、以下のようにほとんど値動きがありません。

このチャートは過去5年の値動きを表しています。黄色い線はS&P500(VOO)に投資したときの株価です。一方で青色の線はHYGの値動きです。

S&P500に投資した場合、株価は長期的にずっと増え続けています。一方でHYGについては、年によって債券価格が上がったり下がったりしているものの、全体ではほとんど値動きがありません。このように、価格の上昇を期待できないものの、価格の下落もほとんどないのが債券です。債券投資というのは、安定的に配当を得る投資法です。

ヘッジファンドを利用し、高利回りを得ることが可能

ただ投資によって配当を得るとき、低リスクではあるもののより高利回りの債券投資をしたいと考える人もいます。低リスクの債券へ投資しつつも、年利10%ほどを目指すのです。

世界で最も有名な高利回り債券ETFがHYGです。債券投資で高利回りを得たい場合、HYGへ投資するのが一般的です。一方でオフショア投資という方法を知っている人の場合、債券へ投資するヘッジファンドを利用します。

税金がほとんどかからないタックスヘイブン(オフショア地域)にて投資口座を開設すれば、債券ヘッジファンドへ投資することができます。例えば、以下はイギリスやアメリカの債券へ投資するヘッジファンドのファクトシートの一部です。

参考までに、スイスの機関投資家(年金基金)もこの債券ヘッジファンドへ投資しています。

このヘッジファンドの過去8年の利回りを確認すると、平均年利10.46%です。オフショア投資の低リスクヘッジファンドとしては、一般的な年利といえます。過去、マイナスリターンになっている年はあるものの、ほとんどの年でプラスリターンです。

なお、平均年利10.46%というのは、ヘッジファンドへ支払う手数料を差し引いた後の利回りです。銀行や保険、建築などの社債へ投資することによって、約7%の固定金利(配当利回り)に加えて、債券価格の値上がり益によってこうした利回りが可能になります。

低リスクヘッジファンドの中では一般的な利回りではあるものの、債券投資で考えると利回りは非常に高いです。前述の通り、最も有名な高利回りETFであるHYGへ投資したとしても年利は約5%です。そのため、債券投資の中ではヘッジファンド投資は利回りが非常に高いです。

ヘッジファンドが「高利回りかつ値上がり益を見込める債券」を選定し、投資することによって、HYGへ投資するよりも高い利回りが可能になるのです。

株式やFX、先物へ投資するよりも低リスク

なお、ハイリスク・ハイリターンのヘッジファンドは株式やFX、先物へ投資します。こうしたヘッジファンドの場合、年利20~30%が可能です。ただ一年間で-20~30%のマイナスリターンになることもあります。

また株式の場合、一度下落した株は上がらないケースが頻繁にあります。ダメな株に投資すると大損することはよく知られています。

一方で債券へ投資する場合、株や先物へ投資するときのような大幅な価格下落のリスクがありません。もちろん世界的な不況だと債券価格は下落する可能性があるものの、たとえ一時的に債券価格が下落したとしても、数ヶ月後には債券価格が元通りになるのが一般的です。

債券は価格の上昇幅が小さいものの、下落リスクも低いです。ヘッジファンドへ投資する人の中には、ハイリスク・ハイリターンではなく、低リスクにて年利10%ほどを得たい人もいます。その場合、債券へ投資するヘッジファンドを利用するのが最適です。

高利回りを得られないデメリット

それでは、こうした債券へ投資するヘッジファンドのデメリットは何でしょうか。それは、既に説明した通り高利回りが無理なことです。

ハイリスク・ハイリターンのヘッジファンドは債券へも投資します。ただ債券へ投資をするとき、固定金利を得る目的では投資をしません。そうではなく、債券価格の上昇または下落を予測して利益を得ることを考えます。

債券価格が上昇すると予測すれば、何倍ものレバレッジをかけて投資をします。また債券価格が下落すると考えれば、ショート(売り)によって価格下落に備えます。株のトレードをするのと同じように、債券のトレードをするのです。

この方法の場合、債券投資による金利収入は少ないです。

こうしたハイリスク・ハイリターンのヘッジファンドとは異なり、債券ヘッジファンドはあくまでも固定金利による配当と債券価格の値上がり益によって利益を出します。そのため高利回りは無理ですが、低リスクによる資産運用が可能です。

ヘッジファンド投資なので最低投資額がある

また一般的な債券投資に比べて、他にもデメリットがあります。それは最低投資額です。タックスヘイブンを利用してヘッジファンドへ投資する場合、最低投資額が存在します。

ETFへ投資する場合、少額から誰でも投資できます。一方でヘッジファンドへ投資する場合、オフショア投資口座を開設するために最低30,000米ドル(約300万円)の投資額が必要になります。

債券ヘッジファンド自体は10,000米ドル(約100万円)から投資できます。ただオフショア投資口座を開設する最低投資額が30,000ドルというわけです。そのため、ある程度の余裕資金をもっている人のみ債券ヘッジファンドへ投資できます。

債券投資で高利回りが可能なETFがHYGです。一方、低リスクにて債券ETFよりも高い利回りを得たい場合、債券ヘッジファンドを活用するのが優れています。

債券ヘッジファンドで固定金利と値上がり益を得る

低リスクの投資方法が債券投資です。株式のように激しい値動きはなく、たとえ大不況によって債券価格が下がったとしても数ヶ月後には価格が戻るのが債券です。

こうした債券に投資するとき、高利回りが可能な債券ETFとしてHYGが有名です。HYGへ投資すれば、年利約5%にてリターンを得られます。一方で債券へ投資するとき、年利10%ほどを得られる投資先としてヘッジファンドがあります。

ヘッジファンドが投資先の債券を選定することによって、ETFへ投資するよりも高い固定金利や値上がり益を狙うことができます。ハイリスク・ハイリターンのヘッジファンドのように高い利回りを得ることはできないものの、低リスクにて資産運用したい人に向いています。

ヘッジファンドにはさまざまな種類があります。そこで低リスクの資産運用をしたい場合、高レバレッジやショート(売り)をするハイリスクのヘッジファンドではなく、固定金利収入を得るヘッジファンドへ投資するようにしましょう。

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