株や債券、FX(外国為替)、コモディティへ投資する場合、経済ニュースをチェックするのは重要です。発表されるデータの中でも、最も重要な指標としてアメリカ雇用統計があります。

株式投資をする場合、日本ではなくアメリカの雇用統計に着目しましょう。株や債券、外国為替、コモディティの価格に対して最も影響を与えるのがアメリカの経済です。たとえ米国株以外へ投資している人であっても、アメリカ経済ニュースの確認は必須です。

なぜ、アメリカの雇用統計が株価やFXに大きく影響を与えるのでしょうか。また、どのように雇用統計の情報を理解すればいいのでしょうか。

すべての投資家にとって重要な指標がアメリカの雇用統計です。そこで、雇用統計の見方について解説していきます。

投資で最も重要な発表の一つがアメリカ雇用統計

最も強い経済をもつのがアメリカです。そのため、ほぼすべての国はアメリカの経済に影響を受けます。過去の大不況をみても、ほとんどはアメリカ経済が起点になっています。たとえ日本株のみに投資している人であっても、アメリカの経済情報を確認する投資家が多いのは理由があるのです。

アメリカの経済状況を記す統計データは雇用統計以外にもいくつかあります。例えば以下になります。

  • ISM製造業景況指数
  • ISM非製造業景況指数
  • 消費者物価指数(CPI)
  • 実質GDP
  • 雇用コスト指数

これらの中でも、最も重要なデータがアメリカの雇用統計です。

なぜ米国の雇用統計が株価や為替に影響するのか

アメリカの雇用統計が重要な理由としては、雇用統計発表後に株や債券、為替、長期金利、コモディティなど、あらゆる数字が急激に動くことがあるからです。また、雇用統計発表後も株や債券、外国為替に大きな影響を与えます。

アメリカ経済では、個人消費がGDPの6~7割を占めます。つまり、個人の雇用情報がアメリカ経済にとって重要になります。雇用状況が改善されれば、それだけアメリカ経済は強くなります。

雇用統計が良ければ、個人消費は活発になります。つまり企業業績は良くなり、株価は上がります。また景気の拡大によってインフレ率が上昇するため、FRBは金融引き締めを考えます。つまり、政策金利の上昇を検討します。

金利が上昇すれば、米ドルへ投資することで高い利回りを得ることができます。つまり米ドルが買われ、ドル高になります。

一方、政策金利の上昇によってアメリカ国債へ投資するときの利回りが高くなる場合、債券(国債や社債など)は売られます。つまり、雇用統計が良いと債券価値が下がります。細かい説明を省きますが、債券価格と金利は逆相関があります。

なお、雇用統計の結果が悪い場合は逆の現象が起こりやすいです。

雇用統計の結果の良し悪しを判断する方法としては、予測値との比較があります。雇用統計の発表前には必ず予測値が出されます。予測値と実際の値が大きく違う場合、株価や為替が大きく変動しやすいです。

政策金利は株や債券、為替に大きな影響を与えます。政策金利を決めるのはFRBであり、FRBは毎月発表される雇用統計を参考にして、金融緩和または金融引き締めを検討します。そのため、アメリカの雇用統計の数字が重要です。

重要なデータが非農業部門雇用者数と失業率

米国労働省(U.S. Department of Labor Bureau of Labor Statistics)が雇用統計を発表します。また、雇用統計の結果を日本語で発表しているサイトもあります。

雇用統計では複数のデータが発表されます。雇用統計で発表される主な指標は以下です。

  • 非農業部門雇用者数
  • 失業率
  • 週労働時間
  • 平均時給
  • 産業別の雇用者数
  • 労働参加率

これらの中でも、最も重要なのが非農業部門雇用者数と失業率です。

農業以外の雇用者数を確認すれば、どれだけアメリカで雇用の増減があったのか分かります。また失業率をみれば、どれだけの人が失業しているのかわかります。

なお非農業部門雇用者数と失業率では、非農業部門雇用者数のほうが重要です。失業率には、働きたくない人も含まれます。数ヵ月は働く気がないものの、失業手当を受け取っている人は非常に多いのです。

そのため労働意思というあいまいな指標を図る失業率ではなく、どれだけ雇用者数が増えたのかが重要視されます。

・毎月、第一金曜日に発表される

それでは、アメリカの雇用統計はいつ発表されるのでしょうか。アメリカの雇用統計は毎月、第一金曜日に発表されます(稀に第二金曜日に発表されることがある)。

なお、ニューヨーク時間の午前8時30分に雇用統計が発表されます。

※日本時間21:30(4~10月)、22:30(11~3月)

雇用者数が多くても株高やドル高になるとは限らない

それでは、雇用統計の結果が良ければ株高やドル高になるかというと、必ずしもそうとは限りません。雇用統計の結果が良いにも関わらず、株安やドル安になることは頻繁にあります。反対に雇用統計の結果が悪いことによって、大幅な株高になることもあります。

前述の通り、FRBは政策金利を決定します。具体的には、FOMCという会議によってFRBは政策を決めます。雇用統計の結果が良い場合、FRBはFOMCを開催した後、金融引き締めを行います。ただ金利が上がると、企業業績は悪くなります。

金利が高い場合、会社は多くの利払いをしなければいけません。そのためビジネス投資が少なくなり、会社の儲けが減ります。また住宅ローンの金利が上がり、個人消費が落ち込みます。そのため雇用統計の結果が良く、FRBが政策金利の引き上げをすると予測される場合、株価が下がります。

雇用統計の結果が良くても株安やドル安になることは頻繁にあります。雇用が改善し、景気が良いほど株価が高くなるわけではないのです。

市場の状況を理解して投資しなければいけない

そのため株や債券、FX、コモディティへ投資する場合、市場の状況を理解しながら投資するようにしましょう。いまの市場がどのような状況になっているのか理解すれば、雇用統計の結果によって株や債券、外国為替がどのように動くのか予測できるようになります。

景気は常に以下のサイクルを繰り返します。

例えば大不況の後、必ず金融相場が訪れます。金融相場では政策金利が低く、企業の業績は悪いです。ただ、株価は高騰します。悪いニュースが出るほど、政府は金融緩和をしなければいけません。そのため金融相場では、雇用統計の結果が悪いほど株価は上がり、ドル安になります。

雇用統計の結果が悪い場合、景気が悪いので企業業績は悪化しており、株価が下がると予測できます。ただ大不況の後に発生する金融相場では逆の現象が起こります。

株や債券、外国為替に投資する場合、世の中の状況がどうなっているのかを確認しなければいけない理由がこれです。そうすれば、雇用統計の結果が株や債券、FX、コモディティの価格にどう影響するのか予測できるようになります。

インフレを考慮してFRBは金融政策を決定する

なお雇用統計を確認するとき、インフレを考慮するようにしましょう。FRBの使命は主に2つあります。それが以下です。

  • 雇用者をできるだけ多くする
  • 年間のインフレ率を2%に抑える

金融緩和をすれば、雇用者数が多くなります。そのため雇用者数が十分に多くなれば、FRBは金融引き締めを考えます。金融引き締めの兆候がみられる場合、金利が上がるため、前述の通り株と債券の価値は下落します。また、ドル高になります。

ただ雇用者数が少なかったとしても、インフレ率が高い場合、FRBはインフレ率を抑えるためにFOMCという会議を開き、金融引き締めを決定します。そのため雇用統計の発表後、株安やドル高になることがあります。

雇用統計では雇用者数や失業率だけでなく、平均時給も発表されます。新規雇用者数が少なくても、失業率が低く平均時給が増えている場合はインフレ圧力が強く、将来のインフレ懸念が高いです。そのため、新規雇用者数が少なくても株価が下がり、ドル高になるのです。

雇用統計はFOMCの内容に大きく影響する

米国株へ投資する人だけでなく、すべての投資家がアメリカの雇用統計を確認します。この理由としては、アメリカ経済が株や債券、為替通貨、コモディティの価格に対して最も影響を与えるからです。

FRBはFOMCで金融政策を決定します。FOMCで話し合われる内容で最も重要な要素の一つが雇用統計です。FRBには雇用改善とインフレ率2%の維持という重要な課題があり、この両方を達成しなければいけません。

雇用統計がFRBの決定に大きな影響を与えるため、株価やFXとの関連性が強いです。事実、雇用統計の発表後に株価や通貨価値が大きく変動するのは普通です。

そこで雇用統計を毎月チェックしましょう。投資家として利益を作るには、重要なデータを確認する必要があります。また雇用統計の結果が悪くても株高やドル安になることは頻繁にあります。そこで、経済の状態がどのようになっているのかも認識するようにしましょう。

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