株式投資をする場合、必ず気にしなければいけないのがアメリカでの政策金利や長期金利です。米国のFRB(中央銀行)が利上げをすることによって短期金利が上昇します。また利上げがあると、長期金利にも強く影響します。

どのようにして株価が決定されるかというと、金利に強く影響を受けます。そのため、米国での利上げ・金利上昇によって景気動向が決まるというわけです。より具体的には、金利が上がることによって株価が下がります。

それでは、なぜ金利が上がると株価にとってマイナスなのでしょうか。また、なぜ米国FRBは株価を下げてまで利上げをするのでしょうか。

株式投資で儲けるためには、経済の仕組みを理解しなければいけません。そこでアメリカの金利と株価の関係について解説していきます。

株価は企業業績以外の影響が非常に大きい

日本は長く金融緩和の一択であり、政策金利はゼロです。そのため中央銀行は機能しておらず、経済状況としては最悪です。実際のところ、アメリカ経済が軽い風邪をひけば、日本経済は重症肺炎となります。

そのため米国株へ投資している人は当然として、日本株へ投資している人であってもアメリカの金利動向を確認するのが投資家として勝つための常識です。

それでは、なぜ金利が重要になるのでしょうか。多くの人は「企業業績が優れる場合、株価が上昇する」と考えています。ただこれは間違いです。どれだけ企業業績が良くても、金利が高い状態では株価は上がりません。

株価というのは、ザックリ以下の要素によって決定されます。

  • 企業業績:3割
  • 長期金利:7割

つまり、会社の業績が非常に優れているのは当然として、それに加えて長期金利がどのような状態なのかを理解しなければいけません。

株価の決定で最も重要な要因が長期金利

株式投資を理解している投資家では、すべての人が長期金利に着目します。なぜ、投資家が長期金利を確認するかというと、株価の決定で最も重要な要素が長期金利だからです。企業業績ではなく、金利が最重要であることを理解しましょう。

良い例としては、2018年に起こった世界同時株安があります。2018年は経済が好調であり、多くの会社が優れた決算内容でした。それにも関わらず、2018年の後半は株価が最大で20%ほど暴落しました。

株価が暴落した理由は金利です。2018年にFRBが何度も政策金利(短期金利)の利上げを決定しました。また経済は好調であるため、長期金利も伸び続けていきました。その結果、経済は好調にも関わらず、以下のように2018年10月からS&P500の株価は暴落し始めました。

ただFRBは株価暴落に焦り、2019年には利上げを完全にストップします。つまり、金融引き締めによって経済を冷まし、株価を抑えるそれまでの方針を変えました。その結果として長期金利も下落していき、株価は再び上昇していくようになりました。

一つの例を出しましたが、株価が大幅に下落する場合、あらゆる場面で金利が関係しています。株価の決定で企業業績よりも金利が重要といわれる理由がこれです。

金利上昇が株価にとってマイナスとなる理由

それでは、なぜ金利上昇が株価によってマイナス要因となるのでしょうか。また、なぜ利上げが経済を冷ますことになるのでしょうか。

政策金利の上昇というと、多くの人は「銀行から多くの預金利子をもらえるのでうれしい」と考えます。ただ経済にとっては逆であり、お金の支払いが多くなってしまうことによって企業は売上を作りにくくなります。

政策金利が上昇すると、連動して不動産ローンの金利も上がります。つまり顧客は家を買いにくくなり、不動産会社の業績は確実に落ちます。

また銀行は多くの会社にお金を貸しています。短期金利や長期金利が上昇する場合、会社が銀行からお金を借りるときの利子が高くなります。そのため会社の投資活動が減りますし、高い支払利子払いの分だけ会社は利益を作れなくなります。

政策金利が高いと企業は利益を作りにくくなり、経済が冷やされるのです。金利上昇が株価にとってマイナス要因となる理由がこれになります。

特にハイテクノロジー企業は金利上昇の影響を受けやすい

なお多くの人はハイテク企業の株を購入します。ハイテクノロジー企業は株価の上昇が高く、優れた成長をするからです。S&P500にも多くのハイテク企業が含まれており、S&P500の株価が上昇しているのは、「ハイテク企業の株価が伸びているから」という側面が非常に強いです。

このとき、金利上昇による影響を最も受けやすいのがハイテクノロジー企業です。ハイテク企業は多くの銀行からお金を借り入れ、多くの投資をしています。そのため金利上昇による利払いが多くなり、利益が圧縮される結果、株価下落圧力が強くなるのです。

また、なぜハイテク企業の株価が一般的に上昇しやすいかというと、毎年30~50%以上の売上・利益成長を期待されているからです。

銀行株や石油株などの場合、売上や利益が上昇するのは難しいです。一方でハイテク企業であれば全世界の人が顧客であり、新たな商品を提供するのも容易です。

つまり高成長を期待されているために高い株価となっているものの、金利上昇によって「利益が減少する」「将来の成長率が悪くなる」と予想される結果、ハイテク企業の株は売られやすくなります。低成長の会社よりも、高成長の会社であるほど金利上昇による影響が強いのです。

なおより詳しい話をすると、理論株価は以下の計算式によって決まります。

分母に金利があることからわかる通り、長期金利が高くなるほど理論株価は低くなります。要は、金利が上昇するとあらゆるケースで株価が低くなりやすいと理解しましょう。

長期金利は政策金利と将来の経済状況に影響を受ける

なお、3ヵ月国債や2年国債などの短期金利については政策金利の影響を強く受けます。期間が短い国債であるほど、政策金利の影響を受けるのは簡単に理解できると思います。

一方で10年国債などのような長期国債の場合、政策金利だけでなく、経済状況の影響も受けます。ザックリ考えると、10年債利回りは以下の2つの影響を強く受けると考えましょう。

  • 10年債利回り=政策金利+将来の経済状況

つまり政策金利に加えて、将来の景気が強い場合は10年債利回りが高くなります。政策金利を何度も上げると、長期金利は上昇しやすくなるのです。また経済が強いほど長期金利は高くなるため、その分だけ長期金利は上昇圧力が強くなります。

こうして長期金利が上昇していくものの、どこかの段階で経済は金利上昇に耐えられなくなります。その結果、あるときに株価が暴落するというわけです。

長期金利が下がれば株価に良いわけでもない

それでは長期金利が下落すれば100%の確率で株価にとってプラスかというと、必ずしもそうではありません。一般的に長期金利の下落は株価上昇にとって非常に優れる環境であるものの、長期金利の低下が大きな株価低下に関係することもあるのです。

具体的には、不況の前に長期金利は必ず低下します。前述の通り、長期金利は政策金利に加えて、将来の経済状況も加味しています。そのため長期金利が大幅に低下しているというのは、「数か月後に大規模な不況がくる前触れ」かもしれないのです。

以下のように過去の長期金利の動向を確認すると、大不況の前では必ず長期金利が継続的に下落していることがわかります。

金利低下が株価にとってプラス材料であるのは間違いありません。ただ経済状況によっては、「不況の前触れであり、株を売却しなければいけないサイン」であるケースもあるのです。

それでは、どのようなときが景気後退のタイミングかというと、アメリカFRBが何度も政策金利を上げた後になります。過去の歴史を確認すると、すべての株価暴落前では、必ずFRBが複数回の利上げを実施しています。

金利というのは、不況が来るかどうかの兆候を知るためのツールでもあります。多くの投資家が米国経済の指標として金利やFRBによる利上げ(または利下げ)の動向を確認しているのはこうした理由があります。

なぜアメリカのFRBは利上げをして景気を冷ますのか

それでは、なぜアメリカFRBは政策金利を上げ、景気を抑えようとするのでしょうか。普通に考えると、できるだけ株価を高くして景気を強くしたほうがいいように思えてしまいます。

ただ景気が強すぎるというのは大きな問題でもあります。一番の問題はインフレです。アメリカで多くのお金が作られるようになると、「人の採用が増え、賃金上昇の圧力が強くなる」「高い値段でも売れるので価格が上がる」など、さまざまな現象が起こってきます。

こうして過度のインフレが起こると、景気は強いにも関わらず、人々は貧乏になります。たとえ賃金が2%上昇しても、インフレ率5%であれば、トータルで-3%の損となります。賃金は上がっていても、モノの値段がそれ以上に上昇するため、多くの人が生活に困るというわけです。

そこで、FRBは以下の目標を達成するために利上げによって景気を冷まします。

  • 過度のインフレを防ぐ
  • 景気の拡大をできるだけ長くする

結局のところ、好ましい結果を残すには「適度な環境」が最も優れます。

例えば車での長距離移動を考えるといいです。高速道路を使う場合、最速で目的地に到着するスピードはいくらでしょうか。答えは「法定速度を守って安全運転をする」ことです。多少の時間はかかるものの、確実に、かつ最速で目的地に到着できます。

一方で、アクセル全開で時速160kmにて高速道路を常に運転すればどうでしょうか。途中で警察に逮捕されるかもしれませんし、事故を起こす確率も高いです。また、車への負担が非常に大きくなります。こうしてアクシデントが頻発することにより、結果として法定速度のときよりも到着が遅くなります。

すべてにおいて、ぬるま湯が最も優れています。お湯の温度が冷たすぎてもいけないし、熱すぎてもいけないのです。

利上げによって経済を抑えることができれば、経済の状況はぬるま湯になります。この場合、経済は好調で株価上昇が長く続きます。こうした状況にするため、経済が過熱しすぎているとき、FRBは利上げによって経済の過熱(インフレ圧力の上昇)を抑えようとするのです。

景気の最後は株価が暴落し、不景気になって利下げとなる

ただ経済というのは、必ず好景気と不景気を繰り返します。つまり、どれだけアメリカの中央銀行が金利をコントロールしたとしても、100%の確率で大規模な株価下落が起こり、不景気へと突入するのです。

大規模な不況となれば、株価が一気に下落することで企業業績は悪化します。この場合、FRBは景気を復活させるために利下げをします。政策金利をできるだけ低くすることによって、再び経済を活性化させようとするのです。

そうすると、今度は「企業業績は非常に悪いにも関わらず、株価が上昇する場面」が訪れるようになります。これを金融相場といいます。

企業業績が悪いにも関わらず、株価が勢いよく上昇していく理由は金利が低いからです。不景気によって株価が底に落ちた後、低金利の影響を受け、企業業績は最悪にも関わらず株価は大幅に上昇するというわけです。

実際のところ、企業業績のみで投資タイミングを判断している場合、100%の確率で投資によって儲けることはできません。そうではなく、金利を重視するべきです。企業業績よりも、金利のほうが株価に大きな影響を与えるからです。

株価や経済状況で最も重要なのは金利

投資で儲けることを考えるとき、すべての人が金利を確認しなければいけません。政策金利(短期金利)や長期金利(アメリカ10年債利回り)の動きがどのようになっているのかを確認するのです。

企業業績よりも重要なのが金利です。FRBの利上げが続き、長期金利の上昇に経済が耐えられなくなると、必ず株価が大幅に下落します。一方で金利の上昇圧力がなくなると、株価が高騰し始めます。株価は金利による影響が非常に強いのです。

また金利を確認すれば、将来の不況を予測することができます。完全に言い当てることは不可能であるものの、ザックリと将来の経済状況を見通せるのです。

なぜ投資でアメリカの政策金利や長期金利が重要なのか理解しましょう。これらのことを学べば、投資で勝つためには金利のチェックが重要であるとわかります。

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