かつて、大きなニュースになったタックスヘイブンに関わるニュースにパナマ文書があります。「税金がほとんどかからないタックスヘイブン(オフショア地域)を利用していた人のリストが流失した」という事件がパナマ文書です。
パナマ文書によって、多くの人がタックスヘイブンという存在に気づきました。また、政治家や有名人、富裕層の多くがタックスヘイブンを利用し、投資や節税をしていることも広く知れ渡るようになりました。
それでは、パナマ文書の何が問題なのでしょうか。また違法性や逮捕者はどうなのでしょうか。
パナマ文書を理解すれば、租税回避やオフショア投資について、その実態がわかるようになります。そこでパナマ文書として事件が起きた後、その後にどうなったのかを含めて解説していきます。
もくじ
パナマ文書とは何か?オフショア地域での事件
まず、パナマ文書とは何なのでしょうか。パナマ文書について理解する前に、パナマ共和国を学ぶようにしましょう。
税金がほとんどない地域がタックスヘイブン(オフショア地域)であり、パナマはオフショア地域の一つです。カリブ海にはタックスヘイブンが多く存在し、中央アメリカに存在するのがパナマです。
こうしたタックスヘイブンには、オフショア法人設立によって租税回避をしたり、オフショア投資によって効率的に資産運用したいと考えていたりする人の情報が非常にたくさん集まります。
パナマには大手法律事務所であるモサック・フォンセカがあり、この法律事務所はタックスヘイブンで法人設立支援を行うなど、非常に多くの投資家や富裕層を支援していました。ただ2016年4月にモサック・フォンセカから大量の機密情報が漏れたことが判明しました。これが、いわゆるパナマ文書のことです。
この機密情報にはオフショア金融センターを利用している21万4000社のリストが掲載されており、多くの政治家や富裕層、大企業だけでなく、公的機関の名前も掲載されていました。
要は、こうした有名人や大企業、さらには国の機関がタックスヘイブンを利用することで租税回避したり、オフショア投資をしていたりしていたことが公式にバレたのです。
パナマだけでなく、ケイマン諸島や英領ヴァージン諸島(BVI)、香港、米ネバダ州など、世界中のタックスヘイブンについて利用していた人がパナマ文書によって公開されてしまいました。そのため、非常に規模の大きい流出事件となったのです。
違法性はなく、完全合法なので逮捕者はゼロ
パナマ文書のリストには現首相や元首相、大企業のCEO、誰もが知っている有名人・アスリートを含め、非常に多くの人が掲載されていたために大きなニュースとなりました。
要は、知識のある多くの人は公に言わないだけであって、全員がタックスヘイブンを利用していたというわけです。オフショア地域では圧倒的に優れる投資が可能であり、資産を預ける場所として優れているため、富裕層のほとんどが有効活用しているのです。
それでは、タックスヘイブンを利用してオフショア投資をしていたり、オフショア法人を利用して租税回避をしていたりすることは悪いことなのかというと、そういうことではありません。実際のところ違法性はゼロであり、完全合法の手法です。
合法である以上、当然ながら逮捕者はゼロです。海外で投資することに違法性はないですし、節税のためにタックスヘイブンを利用するのは何も問題ないのです。事実、タックスヘイブン利用が理由で逮捕された人はこれまでゼロです。
脱税やマネーロンダリングは当然ながら逮捕される
ただ当然ながら、タックスヘイブンを利用して脱税をしたり、マネーロンダリング(資金洗浄)をしたりした場合は逮捕されます。この場合はパナマ文書に関係なく違法だからです。
例えば日本にはタックスヘイブン対策税制があり、オフショア地域にペーパーカンパニーを作り、そこにお金を送金したとしても日本で納税義務があります。
ただ日本ではなく、海外に住んでいる状態でオフショア法人を利用する場合、日本への納税義務はなく、当然ながら無税です。海外で働いている駐在員が日本で納税義務がないのと同じように、タックスヘイブンで稼いだお金が無税なのは当然です。
脱税やマネーロンダリングというは、そうした行為自体が犯罪なので、タックスヘイブンを利用しているかどうかに関係なく逮捕されます。ただ正しくタックスヘイブンを利用している場合、パナマ文書として機密情報が流出したとしても、タックスヘイブン利用が理由で逮捕された事例はゼロというのが実情です。
一番の問題は政治家を含む有名人がリストに掲載されていたこと
それでは、パナマ文書の一番の問題点は何なのでしょうか。それは、有名人がリストに掲載されていたことです。私たち一般人であれば、前述の通りオフショア地域で投資したり、合法的にオフショア法人を利用したりすることは何も問題ありません。
ただ富裕層の中でも、大企業のCEOや有名人の場合は社会的責任が生まれます。特に政治家の場合、事態はより深刻です。
政治家の場合、国民に対しては「海外の投資商品を利用してはいけない」「国に納税しないといけない」と指導する立場にあります。
ただ実際のところ、タックスヘイブンの金融商品はほかの国に比べて圧倒的に優れています。例えばオフショア投資によってヘッジファンドへ投資すれば、低リスクにも関わらず年利10%ほどが可能です。例えば以下は、債券へ投資することでリターンを得る平均年利10.46%のヘッジファンドです。
日本を含め一般的な国では、こうした優れたファンドに投資することはできません。また、よりハイリスク・ハイリターンのヘッジファンドへ投資する場合、平均年利は15~30%です。
そのため多くの富裕層はタックスヘイブンを利用してこうしたファンドへ投資するわけですが、当然ながら投資すること自体は何も違法ではありません。
しかし有名人の場合、こうしたタックスヘイブンの仕組みを利用しているとなると、マスメディアが大きく騒ぐようになります。そのため、大きなニュースとなったのです。
その後、どうなった?責任を追及されて辞任した人はいる
特に大きな問題となったのは政治家です。違法ではないので刑事責任を追及されたことはないものの、辞任に追い込まれた人はたくさんいます。
政治家の場合、自国民には「勤勉に働き、税金を納める」ように言うものの、自らはオフショア地域を利用して、国民にバレずに資産運用していたことになります。また政治家によっては、オフショア法人を利用して租税回避し、合法ではあっても自国への納税を少なくしていました。
そのため当時、アイルランドの首相だったグンロイグソンはパナマ文書に名前が掲載されていたことで責任を追及されました。タックスヘイブンで知られる英領ヴァージン諸島(BVI)の金融機関を通じて、銀行債券について数百万ドル(数億円ほど)を購入していたのです。
また当時パキスタンの首相だったナワズ・シャリフについても、親族がタックスヘイブンにオフショア法人を保有していることが判明し、資産隠しを指摘されました。その結果、議員資格をはく奪されました。
なおナワズ・シャリフは汚職の罪で逮捕・収監されたものの、逮捕理由はタックスヘイブンにオフショア法人を保有していたからではありません。あくまでも汚職をしていたからであり、汚職をしている場合、タックスヘイブンの利用の有無に関係なく逮捕されるのは当然というわけです。
いずれにしても、特に政治家ではパナマ文書が理由で辞任に追い込まれた人は何人かいます。その後、タックスヘイブンとは関係なしに脱税や汚職が見つかれば、逮捕されたというわけです。
いまでもタックスヘイブンでの投資や節税は有効
いずれにしても、完全合法の投資方法がタックスヘイブンの利用です。そのためオフショア地域の利用はいまでも有効ですし、投資によって優れた利回りを得ることができます。
例えば日本の場合、厳しい金融規制によって優れた投資商品は存在しません。一方でタックスヘイブンの場合、金融規制がなく無税の地域であるため、世界中の投資商品を購入でき、さらには効率的に資産を増やすことができます。
例えば以下はタックスヘイブンで購入できる生命保険であり、投資したお金は20年後に2.3倍、30年後に4.3倍と増えます。
また生命保険であるため、死亡保険金であればより高額なお金が支払われます。日本ではあり得ないほどの好条件の投資が可能であり、投資であれば一般人を含めて誰でもタックスヘイブンを利用できます。
一方で経営者や投資家なのであれば、タックスヘイブンの仕組みを利用し、海外移住することによって無税にできます。日本とは違う国に住むことによって、日本への納税義務がなくなります。こうして、合法的に節税できるのです。
タックスヘイブンを利用して投資したり、合法的に法人を利用したりするのは何も悪いことはありません。パナマ文書の内容というのは、単に「多くの大物政治家や有名人、富裕層、大企業が利用していた」というだけです。そこに違法性はないし、その事実だけで逮捕者が出たこともありません。
実際のところ脱税やマネーロンダリングは難しい
ちなみに実際のところ、いまはタックスヘイブンを利用しての脱税やマネーロンダリング(資金洗浄)は非常に難しくなっています。
オフショア地域は先進国からの締め付けが強いため、いまではほぼすべてのタックスヘイブンが多くの国と租税条約を結んでいます。CRSと呼ばれる仕組みになりますが、要求があればオフショア金融機関は情報提供しなければいけません。
要は、国税当局からの要請によって企業情報や口座データを含め、タックスヘイブン側はすぐに提供しなければいけないのです。そのため脱税やマネーロンダリングをしようとしてもすぐにバレます。
また当然ながら、タックスヘイブンの国々は脱税や犯罪資金が流入し、マネーロンダリングされるのを嫌います。先進国からの制裁によって、より高額な罰金を支払わなければいけなくなるからです。こうした背景があるため、いまでは脱税やマネーロンダリングで利用してもすぐに判明し、犯罪でタックスヘイブンを利用できなくなっています。
知識のある人ほどオフショア地域を使っている
パナマ文書によって明らかになったのは、政治家や有名人、富裕層を含め、「知識のある人ほどタックスヘイブンをうまく活用している」という事実です。
知識のない人では、タックスヘイブンを怪しいと考えて利用しません。ただ実際には、富裕層であるほどオフショア地域を利用しています。この理由は単純であり、そのほうが圧倒的に資産を増やすことができるからです。
私の場合もタックスヘイブンで投資をしており、海外積立投資やオフショア生命保険、ヘッジファンド投資など、あらゆる投資をしています。例えば以下は、海外積立投資での過去5年の実績です。
10のファンドに分散投資をしており、5年間の平均年利は24.1%です。日本でこのような資産運用は不可能であるものの、オフショア投資であれば可能というわけです。
こうした資産運用が可能であるため、知識のある人はオフショア投資を利用するというわけです。またオフショア投資は富裕層でなくても開始できるため、オフショア投資の内容を理解している場合、一般人であっても始めるケースがほとんどです。
また経営者の場合、海外移住しても問題ないのであれば、無税にできるためタックスヘイブンで合法的に節税するというわけです。これが、パナマ文書によって理解できる内容です。
パナマ文書は問題ではなく、使い方が重要
かつて、世界的に大きなニュースになったのがパナマ文書です。オフショア地域を利用して投資をしたり、法人を保有していたりする人のリストが大量に流出し、そこには大物政治家や有名人、富裕層、大企業の名前が掲載されていました。
誰もが知っている人であったり、何人もの大統領・首相の名前が掲載されていたりしたため、大問題となったわけです。
パナマ文書の何が問題かというと、倫理的に利用するべきではない人(特に政治家)が使っていた点です。ただ違法性はなく、タックスヘイブン利用を理由として逮捕された人はゼロです。もちろん脱税や汚職をしていた人は逮捕されましたが、この場合はタックスヘイブンの利用に関係なく逮捕されて当然です。
つまりオフショア地域を利用するのは悪いことはなく、それ自体に違法性もありません。ただ政治家が利用するのは微妙ですし、脱税やマネーロンダリングをするとタックスヘイブン利用に関係なく逮捕されます。
なお知識のある人ほど、オフショア地域を利用して投資をしたり、法人設立をしたりしています。これらがパナマ文書からわかる内容です。
オフショア投資であれば、「20年で2倍以上の元本確保投資」や「年利10%以上の投資」、「30年で資産が18倍以上に増えるヘッジファンド投資」などが可能です。ただ、このときはIFA(代理店)を経由しなければオフショア金融機関と契約できません。
しかし、実際のところ紹介者・代理店によって投資成績が大きく異なります。さらにいうと、紹介者がダメな場合、詐欺まがいの投資方法を提示されたり、途中で連絡が取れなくなったりします。これでは資産運用どころではありません。
そこで、当サイトでは「オフショア投資の相談に乗り、最適な投資プラン」を提案します。年利10%以上での資産運用や元本確保での低リスク投資、オフショア生命保険を用いた確実な資産増、ヘッジファンド利用などさまざまな投資が可能です。
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