投資信託・ETFを利用して投資している人であれば、企業業績のチェックはそこまで重要ではありません。経済や金利の状況を確認すればいいです。

一方で個別株投資をしている人の場合、会社の決算を読まなければいけません。決算書を読まずに個別株投資をするほど怖いものはありません。株価というのは、決算内容によって高騰したり暴落したりするのです。また決算をみれば値上がりする株かどうかわかります。

ただ企業分析の方法は意外と簡単です。難しい会計知識は必要なく、投資家として必要最低限の決算の読み方を理解していれば問題ありません。

それでは、どのように決算書を読めばいいのでしょうか。株式投資で重要な企業分析の方法を解説していきます。

個別株投資では決算が最も重要

個別株へ投資する場合、必ず確認しなければいけないのが決算です。決算の内容によって、株価が上がったり下がったりします。決算後、株価が30%以上も爆上げしたり、反対に30%以上の暴落をしたりするのは普通です。

株というのは、決算の内容によってそれだけ乱高下します。個別株への投資がリスクといわれているのはこうした理由があります。一方で個別株投資であれば、成功すればインデックスファンドへ投資するよりも高利回りを出すことができます。

なお決算の読み方とはいっても、会計知識はゼロで問題ありません。つまり、以下のような財務諸表を読む必要はないのです。

また株で儲かるのは日本株ではなく米国株です。日本株は圧倒的にレベルが高く、プロでない限り稼ぐことができません。そうなると英語で情報を得ることになりますが、日本語でも財務諸表を読むのが難しいのに、英語となるとさらに理解できません。

ただ心配する必要はありません。こうした財務諸表は企業分析ですべて不要であると理解しましょう。

確認するポイントは毎年の売上と利益の増加

財務諸表を読む必要がないとなると、私たち投資家は何をポイントとして確認すればいいのでしょうか。最も重要であり、わかりやすいポイントは毎年の売上と利益です。まずはこれに着目しましょう。

具体的には、毎年の売上と利益が伸びている必要があります。もし売上や利益が伸びていない年がある場合、成長減速しているといえます。そうした会社に投資する価値はありません。

なぜ株価が伸びるかというと利益が上昇するからです。逆にいうと、利益が伸びなければ株価が上昇することはまずありません。難しい言葉ではEPS(一株当たり当期純利益)と呼ばれますが、利益が上昇すればEPSの値が大きくなります。要は、会社の株価は利益が重要ということです。

売上と利益の両方が毎年伸びているというのは、投資先を選ぶうえでの絶対条件です。そのため、必ず以下のような会社に投資をしましょう。

参考までに、この会社は上場後に5年で株価が20倍以上に伸びています。株価が伸びるというのは、こういう会社である必要があります。景気や不景気に関係なく売上と利益の両方を伸ばす会社であるからこそ、株価が上昇するのです。当然、好景気にも関わらず売上が落ちている会社への投資は対象外となります。

なお高成長を続けている会社であれば、割高であっても問題ありません。例えば会社が年100%のスピードで成長するのであれば、1年後の株の割高度は半分に落ちます。高い成長率の会社ではすべてのケースでPER(株の割高度)が高いものの、割高かどうかを無視して長期投資すれば個別株投資で儲けることができます。

話題性はあっても利益増加のない企業は投資を避けるべき

この基準を理解すると、ほとんどの会社は投資対象に値しないことがわかります。話題性のある会社であっても、毎年の売上や利益の増加がないケースは多いからです。

株式投資というのは、話題性だけで投資先を選んではいけません。そうではなく、必ず決算内容で選びましょう。決算内容というのは、先ほど解説した毎年の売上・利益の増加です。

例えば以下の会社への投資はどうでしょうか。

名前は述べませんが、日本では非常に有名な会社であり、誰でも一度は聞いたことのある会社です。ただ毎年の売上や利益の増加はありません。また売り上げが大きく伸びている年であっても、利益額は大きなマイナスになっていて大赤字となっています。

その結果、この会社の株価は上場時と比べてまったく増加していません。日々の出来高(株の取引量)も少なく閑散としています。会社の知名度は確かにあるものの、まったく利益を作れていない会社であり、決算の中身は非常に悪いのです。

毎年の売上や利益の増加というと、非常にシンプルで簡単な基準に思えてしまいます。ただ、意外とこの基準をクリアできている上場会社は少ないです。そのため企業の知名度は無視して、必ず決算の中身を確認しましょう。

コンセンサス予想を超えていることが重要

それでは毎年の売上や利益が増加していればいいかというと、必ずしもそういうわけではありません。それに加えて、決算では「コンセンサス予想を超えているかどうか」に着目しましょう。

何人もの株の専門家が「この会社だと次回はこれくらいの売上や利益を出すだろう」と予想をします。これをコンセンサス予想といいます。これを超えていることが重要になります。つまり売上や利益が増えているのは当然として、専門家たちの予想を超えるサプライズを毎回出している会社が優れるというわけです。

たとえ一年前よりも利益が増加していたとしても、コンセンサス予想に比べて売上または利益が低い場合、「決算内容が悪かった」といえます。この場合、株価が暴落することもよくあります。例えば以下は、ある時期についてMicrosoftの四半期ごとの結果です。

Forecast(予想)が専門家によるコンセンサス予想です。それに対して、実際の結果(決算内容)はあらゆるときで上回っています。マイクロソフトは巨大企業であるものの、株価成長率が高く、年間の売上成長は30%以上になります。マイクロソフトの株が優れているのは、毎回の決算内容が良いからなのです。

もちろん、「一回の決算がダメだったから株を売る」という行為は微妙です。企業の本質的な価値が失われておらず、売上や利益が伸びるのであれば株を保有しておくべきです。ただ良い会社であるほど、コンセンサス予想に対して高い売上(Revenue)と利益(EPS)を毎回のように出すというわけです。

売上と利益を確認することは重要であるものの、企業分析ではコンセンサス予想がどうなのかもチェックしましょう。

売上や利益の減速は株価の大暴落につながる

それでは、毎年の増収増益を重ねていれば問題ないかというと、ほかにも注意点があります。それは企業の成長スピードです。コンセンサス予想を上回っていたとしても、企業の成長スピードが鈍化すると株価が暴落します。

わかりやすい例としてはZOOMがあります。テレビ電話システムを提供する会社がZOOMであり、多くの人が利用しています。2020年にコロナウイルスによるパンデミックが起こったとき、多くの人が在宅勤務となりました。その結果、ZOOMの成長率は300%以上となり、株価も急上昇しました。

しかし2022年には株価が暴落し、株価は2020年のころ(コロナ前)に戻りました。以下は当時の様子です。

コロナウイルスによるパンデミックが収束した2022年であっても、ZOOMは売上成長率が前年比20%以上であり、コンセンサス予想は毎回上回っていました。売上・利益が毎年高成長しており、コンセンサス予想を上回っているにも関わらず、なぜ株価の暴落が起きたかというと、売上・利益の成長率が大幅に鈍化したからです。

2020年というのは、パンデミックによってZOOMの売上は前年比300~400%ほどでした。こうした急激な売上・利益成長によって、株価も爆上げしたわけです。

ただ成長率300~400%を織り込んで株価が増加していったにも関わらず、2021年や2022年の前年度比の成長率は20~30%でした。同じように前年度比300〜400%で売り上げが増え続ける場合、株価は伸びていきます。ただ成長率が低くなる場合、すべての会社において株価が暴落します。

その典型例がZOOMであり、企業の高成長スピードというプレミアムがパンデミック収束によって剥がれ落ち、結果として株価はコロナ前の水準に戻ったというわけです。

企業分析では、売上や利益の成長スピードが減速していないかどうかにも着目しましょう。毎回の決算でコンセンサス予想を上回っていたとしても、株価暴落を起こしているケースはたくさんあるのです。この大きな理由が売上や利益の成長減速です。

利益率が高く、競合の参入障壁が高いと優れる

こうして投資先の企業を絞った後、最後に「利益率が高く、競合の参入障壁が高い会社」へ投資しましょう。個別株へ投資するとはいっても、多くて10の企業になります。それ以上、投資先が多くなると個人では管理が大変です。つまり、実際に投資する会社は非常に少ないのです。

多くの会社に投資するのではなく、できるだけ厳選しなければいけません。そこで、ここまで解説してきた企業分析に加えて、投資先会社の利益率や参入障壁を確認しましょう。

どれだけ売上成長率が高かったとしても、利益率が低い場合、利益を残すことはできません。企業経営で最も重要なのは利益であり、利益額が伸びるからこそ株価が上昇するわけです。そのため、利益率が高い会社であるほど有利です。

具体的には、粗利益率が40%以上の会社へ投資しましょう。例えば多くの倉庫を抱えているAmazonであっても、粗利益率は40%を超えています。こうした事実を考えると、テクノロジー企業の粗利として売上の40%以上の粗利がない場合、ビジネスモデル事態に何かしらの欠陥があるといえます。

また競合の参入障壁が高いかどうかも確認しましょう。例えば、先ほど解説したZOOMであれば、参入障壁は低いです。要は、誰でも真似できます。事実、Googleがテレビ会議システムの仕組みを開発して参入し、ZOOMの売上は苦しくなりました。

売上や利益の成長率が高い場合、簡単に真似できるのであれば、巨大テクノロジー企業が真似をして参入してきます。そのため、簡単に真似できるビジネスモデルかどうかは重要になります。

投資家にとって企業分析は意外とシンプル

ここまで解説した内容を理解すれば、個別株投資での企業分析は完ぺきです。もちろん個別の企業についてビジネスモデルを精査する必要はあるものの、投資判断は個人ごとによって異なるので一概にはいえません。

ただすべての人によって共通する重要な視点が売上と利益です。決算書の読み方としては、以下の内容を確認するだけでいいです。

  • 毎年、売上と利益は増えているか
  • 決算でコンセンサス予想を上回っているか
  • 成長率の鈍化はないか
  • 利益率は高いか(粗利益率は40%以上か)

これらに加えて、真似しにくいビジネスモデルの会社へ投資しましょう。このように考えると、投資家にとって企業分析の方法や決算書の読み方は非常にシンプルであるとわかります。こうした内容を理解して投資先を選べば、個別株投資で勝ちやすくなります。

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