世の中には多くのヘッジファンドの戦略が存在し、その一つがアクティビストファンドです。一般的なヘッジファンドとは大きく性質が異なり、企業の経営に対して口出しするヘッジファンドとなります。

イベント・ドリブン戦略のヘッジファンドの一つがアクティビストファンドです。物言う株主として知られており、企業価値を高めることによって大きなリターンを得ることを考えるのです。

最もリスクの高い投資戦略の一つを採用しているのがアクティビストファンドです。そのため一般人がアクティビストファンドに投資することはできず、私たち一般人にとっては関係性の薄いファンドです。ただヘッジファンドの中には、通常とは異なる方法で収益を出すケースがあるというわけです。

それでは、アクティビストファンドはどのようにして利益を得ているのでしょうか。ヘッジファンドの中でも特殊な戦略をもつアクティビストファンドについて解説していきます。

企業価値向上を目指す「物言う株主」がアクティビストファンド

アクティビストファンドは上場株式へ投資するのが一般的です。未上場株を購入することはできないものの、上場株式であれば誰であっても購入できるからです。

こうして株を購入していけば、株の保有割合が大きくなります。また会社というのは、どれだけ株式を保有しているのかによって強力な議決権をもつようになります。当然、多くの株式を保有している人であるほど会社への影響力は大きくなります。

そこでアクティビストファンドは20~30%など多くの株式を保有した後、役員交代や事業再編など多くのことを要求していきます。いわゆる物言う株主として、会社組織の中に入り込むのです。

こうして会社の外部からではなく、内部から会社の組織や事業を変えていくことにより、企業価値の向上を目指します。

M&A(合併・買収)や業務提携、リストラなど、企業の大きなイベントに合わせて株をロング(買い)したり、ショート(空売り)したりするヘッジファンドの戦略をイベント・ドリブン戦略(スペシャル・シチュエーションズ)といいます。アクティビストファンドというのは、イベント・ドリブン戦略の一つと理解しましょう。

例えば以前、当時世界一の富豪が経営者としてSNS会社を買収しました。

彼はヘッジファンドではなく、一人の経営者です。ただ彼は「このSNS会社は非常に素晴らしいのに、経営方法がダメなので売上も株価も上がっていない。自分の経営手腕で会社を再生させよう」と考えたのです。要は、これと同じ考え方です。

彼のケースは単なる個人経営者の立場です。ただ、ヘッジファンドとして組織が特定の上場企業に対して大量の株式取得を行う場合、アクティビストファンドと呼ばれるのです。

株のトレードを行うヘッジファンドとは性質が異なる

会社の内部に入ることで経営について指示出しするため、株や債券、先物などへ投資をするヘッジファンドとアクティビストファンドには大きな違いがあります。両方ともヘッジファンドであることは同じであるものの、儲け方がまったく違うのです。

一般的なヘッジファンドの場合、株や債券に対して投資するだけであり、会社の経営に関与することは当然ながらありません。大規模な空売りをすることで株価下落に貢献することはあるものの、会社経営に対して口出しすることはありません。

一方でアクティビストファンドの場合、一般的なヘッジファンドと違って役員交代を要求したり、不採算事業のカットを迫ったりします。

彼らの仕事は企業価値の向上であるため、短期的にも長期的にも会社を再生させることを考えます。これが、単に株や債券のトレードを行うヘッジファンドと大きく性質が異なる理由です。

最も一般的なのはディストレスト戦略のファンド

なお物言う株主というのは、「ディストレスト戦略を採用しているヘッジファンド」と非常に似ています。ディストレスト戦略というのは、破綻寸前の会社に対して敢えて投資する手法です。

破綻寸前の会社であるため、当然ながら圧倒的にリスクは高いです。売り上げはあるものの、利益がほとんどなく、会社が複雑骨折している状況です。そこから経営幹部を入れ替え、無駄な事業を切り離し、会社を再生させていくのがディストレスト戦略です。

アクティビストファンドの場合、投資先は必ずしも破綻寸前の会社というわけではありません。ただディストレスト戦略というのは、アクティビストファンドに含まれるというわけです。

ディストレスト戦略で最も成功した事例としては、リップルウッドの事例があります。日本長期信用銀行が破綻した後、日本政府は8兆円という超高額な公的資金を注入しました。ただその後、ディストレスト戦略を採用する米リップルウッドへ日本政府はわずか10億円ほどで売却しました。

その5年後、日本長期信用銀行は新生銀行という名前で再上場し、リップルウッドは約4000億円の利益を得ることができました。リップルウッドはバカな日本政府を出し抜き、「巨額の公的資金が注入され、潤沢な資金を持つ銀行」をわずかな費用で買収し、その数年後に高額な利益を得たというわけです。

好調な企業に対して、アクティビストファンドは投資しない

いずれにしても、アクティビストファンドは経営状況の悪い会社の株を購入するのが一般的です。企業業績が好調で売上と利益の両方が伸びている会社について、アクティビストファンドが投資する意味はありません。

好調な企業の場合、物言う株主が参入するとむしろ会社の業績は落ちます。それなら、普通に株へ投資して外部から何も口出ししないほうがいいです。

もちろん、企業業績が好調であっても会社が買収されることはあります。ただ、この場合はアクティビストファンドによる買収ではなく、同業他社からによる相乗効果を狙ったM&Aです。つまり、物言う株主による株式購入とは大きく性質が異なります。

一方で企業業績の悪い会社であれば、改善点がいくつもあるため、アクティビストファンドの標的になるというわけです。必ずしも破綻寸前の会社である必要はないものの、企業業績が不調である会社について、改善点が多い場合はアクティビストファンドによる企業再編によって、企業価値が大きく向上するというわけです。

最もハイリスクだが、リターンも大きい投資戦略

なおヘッジファンドが採用する投資法の中では、イベント・ドリブン戦略は最もハイリスクな投資法となります。

例えばディストレスト戦略の場合、破綻寸前の会社へ投資することになるため、仮に事業再編がうまくいかずに失敗すると、投資したお金の全額を失うことになります。

倒産寸前の会社でなかったとしても、ビジネスではすべてがうまくいくわけではないため、企業価値が思うように向上しないケースも多いです。

また経営陣が交代したとしても、ヘッジファンドは経営のプロではないため、少なくとも新規ビジネスを作れるわけではありません。あくまでも事業再生のプロであり、既存のビジネスを切り貼りすることで会社を再生させることしかできません。

そのため一般的な株や債券、先物に対して投資をするヘッジファンドに比べると、どうしてもハイリスクになります。株に対してレバレッジをかけて投資するヘッジファンドであってもかなりのハイリスク・ハイリターンです。ただ、アクティビストファンドはそれ以上にハイリスク・ハイリターンというわけです。

イベント・ドリブン戦略のファンドは嫌われる傾向がある

またアクティビストファンドがハイリスクとなるのは、一般的にイベント・ドリブン戦略を採用しているファンドは嫌われやすい傾向があるからです。

アクティビストファンドというのは、別名でハゲタカファンドとも呼ばれています。経営不振に陥っている会社の血肉をむさぼり食うことから、ハゲタカファンドというわけです。

どれだけ経営不振に陥っているとはいっても、当然ながらまったく関係のない外部のファンドが大量の株を購入し、経営陣の交代を迫るとなると、既存の経営陣や社員は嫌がります。組織の構造が大きく変わるからです。特に現経営陣からすると、クビになることを意味するので反対します。

そのためアクティビストファンドによる敵対的買収に対して、防衛策を発動する会社は多いです。つまり、「会社の株式の多くを取得したものの、会社の内部に入ることに失敗する」ことはよくあるのです。つまり、物言う株主としての仕事を遂行するのも一苦労です。

こうしたさまざまな理由があるためアクティビストファンドはリスクが高く、一般人からの投資マネーは募集されていません。あくまでも、一部の超富裕層や機関投資家のみ利用できるファンドがアクティビストファンドです。

超ハイリスク投資となるアクティビストファンド

ヘッジファンドは多くの種類があり、資産運用の方法は大きく異なります。その中でも、最もハイリスクな部類になるのがアクティビストファンドです。物言う株主やハゲタカファンドなど、さまざまな呼ばれ方のあるヘッジファンドです。

一般的なヘッジファンドの場合、株や債券を売買するだけであり、企業経営に口出しすることはありません。一方でアクティビストファンドの場合、大量の株式を取得した後に企業内部に入り、積極的に企業再編を促します。

そのため既存経営者からは嫌われやすいですし、業績の悪い会社への投資なので圧倒的にリスクが高いです。

ヘッジファンドの一つではあるものの、一般的なヘッジファンドとは大きく特徴が違います。一般人が投資することはできないものの、ヘッジファンドの中にはこうした戦略を採用しているケースもあるのです。

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